体のエキスパートでありエンターテイナーである先生が教えてくれる、歩くように踊るダンスは、理論的かつ情熱的で、始まってすぐに体も心も解放されていくのを感じました。
途中どれだけこんがらがっても、けっして見捨てずに、複数の人のそれぞれの動きに合ったかたちでリードしてくださいます。
先生のお手本のようにはできないことばっかりなのに凹まずにいられて、むしろそれもひっくるめて楽しかったと思えるのは、人一倍緊張しいで力をぬくことがへたくそなこのわたしにとって快挙です。
踊るように歩いて帰っている自分がいました。
（会場の最寄駅ではなく、少し遠い駅から帰りたくなったのも、そのせいでした）
ふだん、どんな生活をしていてどんな役割なのか。
そんな、人間にしか通用しない、こびりついているものを剥ぎ取ってくれる時間となるでしょう。
リズムが体内にのこり、歩くように踊るダンスは、踊るように歩く日常へ。
階段のぼりは、苦痛からゆかいな足さばきへ。
人がうじゃうじゃの交差点は、ストレスから心地よいサウンドミックスへ。
ダンスなんて学校の運動会でしかやったことがないわたしのような人でも、はたまたプロの方でも、
それぞれを野性に戻してくれる、生まれたてのこの感覚、やみつきになることうけあいです。